生活部会:くらしかん研究発表  その2
    電気価格の仕組みと現状

3月27日のくらしかん研究発表会では2件の研究を発表。そのうちの1件はすでに前号に掲載。今号はもう一つの報告「エネルギー特に電気の価格の仕組みと現状」の要約でます。

原発運転停止・燃料費高騰で電気料金が値上げされたのを受けて

電力料金の原価と仕組み
電力の料金は総括原価方式を基に算出されていて、経済産業大臣により認可する仕組みになっています。総括原価には人件費・燃料費・諸費用のほか事業報酬(利潤)が原価の中に含まれているところが一般企業のコスト計算とは違います。 料金の根拠が明確なので過大な喪失・負担を強いられることはありませんが、設定までに膨大な時間・コストがかかること、競争がないのでコスト削減する誘因がない等の問題点も考えられます。

一般家庭の電力値上げについて 
値上げは、主に原子力発電の停止に伴う火力発電の比率の大幅な増加が見込まれるなどの理由で、平均11.88%の値上げ申請が2012年11月に提出され、審査の結果、2013年4月に平均で9.75%の値上げが認可されました。 一般家庭の平均1カ月300kWh使用量だと457円(6.7%)、500kWhでは1,327円(11%)の値上げになります。

固定価格買取制度(FIT)
再生可能エネルギーの促進を図るため「再生可能エネルギー買取制度(FIT)」が平成24年7月から始まりました。太陽光・風力・地熱・バイオなど各電源ごとに、必要なコストを基礎に適正な利潤を勘案した価格で買い取る制度です。 太陽光発電の場合、平成25年度は10kWh未満でkWh当たり38円と決定しています。固定価格買取制度で買い取られた費用は、電気の使用量に応じて再生可能エネルギー促進賦課金として賄われます。平均的な家庭で月額約100円〜120円の負担になり、再生可能エネルギーの発電量が増えるとどんどん増えていく仕組みです。 なお、電気料金の国際比較や電力システムの改革などによる電力料金の影響・課題についても言及しました。 

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(H26・6・10宮田 健)