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交通部会が2002年11月から2003年3月にかけて行ってきました「モノレール駅でのレンタサイクルシステム導入事業」が終了しました。この調査には多くの市民の皆さまにご協力頂きました。
今回はアンケート調査結果の概要をお知らせいたします。

はじめに

 市民・事業者により1999年(平成11年)3月に『豊中アジェンダ21(地球環境を守る豊中市民行動計画)』が策定され、同時に『豊中市環境基本計画』が市によって策定されました。この2つの計画は、これからの豊中や地球の環境を守るため、車の両輪のように、私たちが取り組みを進めています。
 この度、大阪府、豊中市のご協力を得て「地域協議会温暖化対策モデル事業・脱温暖化モデルプロジェクト」として「モノレール駅でのレンタサイクルシステム導入事業」に取り組み、結果を報告書にまとめることができました。
 今回の試行は、当初から季節的な問題やアップダウンが比較的多い周辺の地形などの課題が懸念されていましたが、周辺住民の方々や多くの利用者のご協力をいただきながら貴重なデータを得ることができました。
 併せて展開した「とよなか市民環境展2002」や新聞、TV、ホームページなど様々なメディアを通した広報活動により、観光地におけるレンタサイクルだけでなく、このような都市型のレンタサイクルの存在を多くの方に知っていただくことができたことも今回の成果の一つではないかと思っております。
地球温暖化対策には、このような地域における草の根運動による取り組みも重要と考えており、自転車利用の促進など、今回の成果を活かしながら取り組みを継続していきたいと考えております。
最後に、今回の試行にご支援をいただいた環境省をはじめ、大阪府、豊中市、豊中自転車商組合、新千里東町「街角ひろば」、(株)大阪高速鉄道、(株)建設技術研究所、人・まち&コミュニティ計画研究所の関係各位と、ご指導をいただきました大阪大学大学院教授 新田保次さまに御礼を申し上げます。
平成15年3月
           豊中アジェンダ21推進会・交通部会
                      部会長 堀 正恒


〜もっと、もっと公共交通を
利用しよう〜


 なお、本報告書をご希望の方は、下記の項目を
記入の上、e-mailでお申し込み下さい。e-mail(PDF)でお送りいたします。
 (取り扱い期間 平成15年8月31日まで)
* 報告書申し込み書記入項目*(様式自由)
でお申し込みください。

 @氏名
 A住所
 B所属・役職等
 C電話番号
 DFAX番号
 Ee-mail アドレス
 F希望報告書に○印を
     本編  76ページ
    要約編 11ページ 
 G入会希望の有無(○印を)

ア アジェンダ21・交通部会へ入会します。
イ 今秋交通フォーラムを予定しています。関心があり
  活動に参加(支援)したいので連絡をください。
ウ 入会、参加ともに考えていない。
  eーmail送付先
ecoshimin@kmd.biglobe.ne.jp
とよなか市民環境会議アジェンダ21事務局


アンケート調査概要報告
 この事業は、環境省の“地域協議会温暖化対策モデル事業 脱温暖化モデルプロジェクト”として、大阪府、豊中市の協力を得て大阪高速鉄道(株)と共同で実施しました。
実施期間は、2002年(平成14年)11月25日から2003年(平成15年)3月24日の4ヶ月間行いました。
 利用者は117人とやや低調でしたが、アンケートにはたくさんの方に協力頂きました。
 アンケートは、利用者と豊中市民環境展及び新千里東町・まちかど広場で実施しました。

 【利用者アンケート結果の概要】
利用者は、20代が37%、30代が27%で以下40代50代と続く。平均年齢は36歳。
居住地は、豊中市が最も多く38%、続いて大阪市、池田市、吹田市の順になりその他39%で、千里中央周辺以外から来られた方の利用が約9割で、周辺に居住している方は約1割でした。
利用者の平均走行距離は6.5km、15kmを越える利用が12件有りました。延べ走行距離は、2,011kmに達しています。
レンタサイクルの利用経験は、初めての方が58%と多かった。
目的は、平日は仕事や買い物・食事が多く、休日は買い物・食事が40%となる。
行き先は下図の通り、比較的広い範囲に分布している。
利用料金は、月極は75%が適切と答え、 一時利用も適切が61%、安いが39%と答えた。
今後とも利用したいかとの問いには、引き続き利用したいが87%、利用したくないはいなかった。
改善したほうが良い点は、
 ・電動アシスト自転車の導入         56%
 ・乗り捨てが可能なシステムの導入    34%
 が多かった。 
レンタサイクルが有れば、
  ・公共交通の利用が増える        43%
  ・公共交通の利用が若干増える     16%
  ・自動車利用が減少する          28%
  ・自動車利用が若干減少する       18%
  ・公共交通の利用が便利になる     38%
  ・排出ガスの減少につながる        8%
  ・放置自転車のリサイクルとして有効     10%
  ・行動範囲が広がる            33%
  ・運動不足の解消(健康)にいい       3%
  ・駐輪スペースが少なくてすむ        8%
と答えている。 
 

【市民アンケート結果の概要】
市民アンケートは、2002年12月7~8日の「豊中市民環境展」来場者とまちかど広場での留置により実施し、
246名に回答を頂きました。
回答者の年齢・職業・住所は、平均年齢が52歳、家事専業・無職野方がやや多い。

レンタサイクルの認知度
  今回の事業(千里中央駅)、既設(阪急岡町駅)のそれぞれについてご存じの方は、それぞれ46%、45%と半数以下であった
レンタサイクルの利用経験
 利用したことがあるは、18%で大半が経験をしていない。
 利用した方のうち、その場所は75%が観光地等で、市内では千里中央が7%、阪急岡町は18%である。
利用したいですか の問いには、69%が利用したいと回答しており、高齢の方が多い傾向にある。
利用の目的は 観光・行楽が55%で、買い物・食事が30%、通勤15%、仕事13%と続いている。
利用したい駅は 阪急豊中駅20%、曽根駅15%が多く、右円グラフの通りとなる。
(自由記入)
利用したくない理由は、
 ・利用したいところに無い       38%
 ・普段から自転車に乗らない     29%
 ・走れる道があまり無い        12%
 ・坂道がつらい             12%
 ・料金が高い              10%
 ・雨の日がつらい             9%
などとなっている。
どのようなレンタサイクルがいいか に対しては、以下の通りとなる。
  ・他の場所に乗り捨てできる     61%
  ・放置自転車の再利用        54%
  ・電動アシスト自転車利用      33%
  ・その他(デザイン等)          6%
レンタサイクルが有れば 
  ・公共交通の利用が増える      18%
  ・公共交通の利用が若干増える   32%
  ・自動車利用が減少する        23%
  ・自動車利用が若干減少する     31%
半数近くが公共交通を利用が増加し、半数以上が車の利用を控えると考えていることが分かる。また
  ・公共交通の利用が便利になる   22%
  ・排出ガスの減少につながる     30%
  ・放置自転車のリサイクルとして有効  21%
  ・行動範囲が広がる           8%
  ・運動不足の解消(健康)にいい    19%
  ・駐輪スペースが少なくてすむ       1%
と答え、実際に利用した人の回答より排気ガスの減少につながる(期待している)回答が多く見られるのが特徴となっている。
 以上の結果から、「利用しやすいシステムの導入」、「電動等の負担の少ない自転車の導入」、「利用したいところでの展開」など改善した場合は、もっと多くの方の利用がが期待できることが分かった。
  最後に、ご指導頂いた大阪大学大学院・新田教授はじめご協力頂いた市民の皆さん、新千里東町・まちかど広場、大阪府、豊中市、豊中自転車商組合、導入事業検討メンバー、(株)建設技術研究所の各位に御礼を申し上げます。
文・森岡秀幸(交通部会アドバイザー、人・まち&コミュニティ計画研究所)
ドライジーネやホビーホースと呼ばれる自転
車の元祖(日本自転車史研究会HPより)