第8回 わがまちとよなか再発見!ちょっといい豊中みつけにいこかウォーク
───阪大で食べて学んでエコ体験〜阪大豊中キャンパスにて───
◆ 2008.11.2  9:45〜13:00


◆今回の目的は「大阪大学総合学術博物館」「阪大生エコ活動」の見学だ。
 阪急石橋駅西側の商店街を豊中方面に。左手の坂を車道沿いにあがり、少し行くと、最初のポイント、レトロな「憩食堂」だ。 価格とボリュームが人気で、常連の学生はマイ湯呑みをキープしているとか。残念ながら今日はおやすみ。
 校内のうどん専門の学食には、「明石うどん」(タコ焼き入り)」、「コロッケうどん」といった変わったメニューあり。 お値段も魅力的だが、こちらも今日は大学祭のためお休み。無念。

◆ ミュージアムにて
 すぐに阪大に着く。入ってすぐ左手、大きな樹に囲まれた「大阪大学総合学術博物館・待兼山修学館」(MOU)に。 旧大阪大学医学部付属病院の建築を生かして、新しいミュージアムをつくり、 地域に開放している。歴史的建築として、周囲の景観も一緒に保護されており、大木の木陰が心地よい。
 ここから、今日の講師、豊中市の文化財保護係・清水篤さんに解説してもらう。 入ってすぐに目につくのが、壁面の巨大骨格。豊中名物・マチカネワニ。迫力だ。 これは実物大のレプリカで、本物の化石は3F「待兼山に学ぶ」のコーナーに。

◆2F 最初の計算機は巨大だった。
 壁を埋め尽くす巨大な装置。初期の計算機だ。
 あの頃は、今のように小さなパソコンが、家庭や事務所でフツーになるなんて、想像もできなかった。 神のごとき力を手に入れたはずの人間は、かしこくなったのか?
 2Fには緒方洪庵の薬箱や、湯川秀樹の書、歴代の研究者の業績など面白そうな展示がならんでいる。 また、超高圧電子顕微鏡などの仕組みや細胞より小さい分子がみられる「みる科学」コーナーもある。時間がないので、次へ。

◆3F 「待兼山に学ぶ」・・・マチカネワニは痛かった?
 大きなガラスケースを、参加者36人が取り囲む。中には実物のマチカネワニの化石。 大きい!マンホールのフタや、図書館の利用券でおなじみのキャラクターだ。が、本物がズリッズリッ、と近寄ってくるのを想像すると、 いい気持ちはしない。ワニは結構なスピードで走る。「同じ時代に生きてなくてよかった!」
 が、このワニは素早く走るのは無理だったようだ。よく見ると、右足首の骨がふくらんでいる。骨折だ。痛かったろう。 岩が落ちてきた?崖を転落?そのために化石になったのか?想像はつきない。
阪大の工事中にできた崖から、化石好きの高校生が発見したそうだ。

 壁には当時の想像図が。以前は、熱帯のような環境と考えられたが、45万年前の花粉を研究すると、ワニのすんでいた頃の環境は、今とあまり変わらないらしい。
また、マチカネワニは、鼻の長いガビアルというワニの仲間と考えられていたが、後に別の系統とされた。ところが、その後、またまたガビアル系に・・。
それにつれて、想像図のほうも、鼻がのびたり、縮んだり。大きさも、8メートルから、6.5メートルに修正された。(それでも最大級のワニだ!)

ここで一句。「考古学者 見てきたような ウソを言い」(字余り)

 研究者が討論している「マチカネシンポ」の映像も見られるので、もっと知りたい方はどうぞ。

◆ 踊る埴輪(はにわ)の謎・・
 ワニだけではない。このコーナーにはこのあたりから出土したものやレプリカが沢山展示されている。5世紀後半には、大阪にも古墳が増えていったらしい。
大きな壷。円墳に、建物、馬、人の埴輪。ニワトリやイヌの埴輪がかわいい。
「イェイ!」と片手を挙げて踊る埴輪。楽しそうだ。市内のとある和菓子屋さんでは「踊るはにわ」という饅頭を売っている。 が、ほんとうは馬飼いで、片手で馬をひいている姿だそうだ。

◆ 屋上の眺め
 エレベーターで屋上へ。木立のむこうに、町並み。遠くには五月山、長尾山などの山並みが連なっている。 コンクリートの床に板がしいてあるので、夏でも照り返しが少ないだろう。椅子に座ってくつろぐ人もいる。
屋上の小さな自然教室に入る。大きめの画面に「阪大キャンパスに咲く花」の映像。豊中・吹田それぞれの阪大キャンパスの自然が映し出される。 うす紫の桐の花、ピンク色のアケビ、濃い青のサワフタギ。白いレースのようなカラスウリの花・・。初めて見る草花もある。

◆1F カフェ&ショップ
 ミュージアムの1Fには、小さなカフェとショップがある。
ミュージアムカフェ「坂」で大木を眺めながらお茶する。今日は飲み物とデザートのみだが、食事メニューもある。
アイスクリームにモカコーヒーをかけたのが美味!・・。歴史的な建築だけでなく、周囲の景観も保護しているので、いっそう趣が深い。

 ショップには、阪大グッズも売られている。マチカネワニのしおりやTシャツ、煎餅、「学長おすすめの本コーナー」も。 歴史好きの父へのみやげに、コンパクトな大阪の文化財めぐりの本と、カラフルな絵図「城下町大阪―絵図・地図からみた武士の姿―」 (この博物館の特集展示をもとにつくられたもの)を購入。(父はさっそくこれを片手に大阪探検に) 友人は、しゃれたデザインの「さめないマグカップ」を買った。

まちかね祭入口
選挙に使った古い板が素敵にリニューアルされていた
意外な穴場、たっぷり楽しめる博物館だった。今度ゆっくり来よう! 休館日は日・祝・年末年始。入場無料!10時〜4時半(入場は4時まで) http://www.museum.osaka−u.ac.jp,
 博物館を出ると、駐輪場のそばに、中世(鎌倉時代)の火葬跡が。昔は土葬が一般的だった。 近年まで、土葬が行なわれていた地域もあるくらいだ。流行病などで、火葬しなければならなかったのだろうか?理由はまだわからないそうだ。





◆ エコトレイと7種分別―阪大生協学生委員会環境・資源委員会がんばる!
 このウォークの目的のひとつ、大学祭でのエコな取り組みを見学。
「まちかね祭」模擬店のパンフ裏に「ごみ分別」ページがある。「燃やすゴミ」「燃えないごみ」「ペットボトル」「ビン・缶」「プラスチックコップ」「割り箸」それに「エコトレイ」とある。7種類も!?
さらに、「リターナブル皿は、専用の回収ボックスまで」とある。 これって、守れるの? 大丈夫。ゴミ箱のそばで、「ゴミナビゲーター」がにこやかに指導してくれる。伝統ある阪大環境・資源委員会の活動だ。
でも、エコトレイってなに?
そこへカレーか何かがベッタリついたトレイをお客さんが持ってくる。 「かぶせてあるフィルムをはがしてください」クルリとめくると、真っ白なきれいなトレイに早代わり!
これを業者に引き取ってもらう。が、もし1枚でも汚れたトレイがまじったら、全〜部洗わなければならないとか。ご苦労様!!


◆ 割り箸のDNA?
学生食堂では、普段割り箸を使わない。が、大学祭の模擬店となれば、そうもいかない。割り箸・トレイがつかわれる。
そこで、環境・資源委員会の出番だ。炊事場でせっせと大量の使用済み割り箸やリターナブル皿を洗う。裏方は大変だ!でも楽しそうに活きいきと作業している。
箸は、カビないように乾かして再生業者に。食堂の裏に「井」の型に組んで積み上げ、乾燥させてある。
が、そこは大学生。高さに挑戦したり、ラセン形のDNA模型をつくったり。今日も、立派な割り箸の建築物ができていた。
 これを陰の努力に終わらすのはもったいない。
会場のまんなかで、「割り箸つみあげコンテスト」を催したらどうだろう?スピードや芸術性を競い、 優勝者にはエコグッズや学食での優待券プレゼント!楽しくエコをアピール。
ついでにスローフードコンテスト(安くて省エネ、食材は出来るだけ地元産、フードマイルの小ささを競う、もちろん味も)も、などと、 やじうまは気楽に考える。

 模擬店はにぎわっている。カエルの着ぐるみでドーナッツを売る学生。白塗りの顔でイベントのPRする学生。 タコやきや焼き鳥をほおばる間に時間がたち、ツアーは終わった。
(井下 祥子)