大阪ガスの実験住宅「NEXT21」の見学会」


近未来に向けた省エネと新エネルギーの追求

2月21日午後3時からエコライフカレンダーモニターさん他で総勢20人が、清水谷町6丁目にある大阪ガスの実験集合住宅 「NEXT21」の見学に行きました。
「NEXT21」と言う名の実験住宅は1994年からが第1期で、今回は第3期の実験。戸数16戸は入居直前で、 色々な仕様の住居に入り環境問題への取り組みを見学しました。


大阪ガスの実験集合住宅前にて

最初に見た住居は、二重ガラスの大きな窓の部屋で断熱効果も高く、晴天だったこの日は床暖房だけで室温が21度になっていました。 夏にはスイッチ操作で二重ガラスの窓の隙間に遮光スクリーンを下ろすこともできます。 発泡ウレタンによる壁の断熱効果ともあいまって、省エネ効果が大きいことを実感しました。
この第3期の実験住宅は、より環境性の高いエネルギーシステム追求が大きなテーマであり、
@ 建築の断熱性能の強化
A 太陽光発電や燃料電池による発電システム
B 屋上緑化など夏の暑さ対策
、などの実験課題についての追求です。

快適な寝室 快適な居間        


大半の住居へのエネルギー供給は、水素で発電する燃料電池システムの実験があります。 5、6階の8戸の住宅には定格発電出力500Wの燃料電池を各戸に設置。 また、3階の6戸の住宅には2戸に1台の700W燃料電池が設置されています。
まだまだ消費電力の一部をまかなう程度ですが、 発電による排熱回収率が46%以上、回収される排熱の温度は60〜70℃ですから、給湯としての利用に十分間に合うでしょう。
それ以外にも隣組コジェネレーションシステム(ガスタービンでの発電などのときの排熱の再利用)があり、 屋上には実験当初から設置されている7.5kWの太陽光発電も稼動。断熱・遮熱と併せエネルギー負荷1/4を目指す実験住宅の工夫の色々があり ました。

コジェネレーションシステム 屋上の太陽光発電施設&屋上緑化        


最後に感じたことですが、6階まである実験住宅の1階部分には上町台地界隈に息づく歴史ある地域文化の保存と創造・発展のために フリースペースを設け、地域との共生への拠点になるような、意欲的な試みがなされています。
また、近所同士のつき合いがうまくできるように、対話の場になるスペースには井戸のオブジェがありました。 

      

§§§§ 編集を終えて§§§§ 計算に強いモニターさんから、 「海外旅行で飛行機に乗ったときの二酸化炭素排出量の大きさは、数10年かかっても埋め合わせできないほどだ。 だから私は海外旅行に行くことに心理的な矛盾を強く感じている」と言うような話を聞いた。
輸入食品など「食のマイレージ」が話題になっているが、その究極?の省エネ版ですね。

(生活部会 2007・02・21)