─── 環境学習会 ───
「家計の法則を見つけてライフプランに役立てる
”世帯・環境・豊かさ”の関係」


2004年1月19日(土)13:30〜15:30
ところ :生活情報センターくらしかん 

京都精華大学教授の山田國廣さんを招き環境家計簿に関する学習会を開きました。

「家計の法則を見つけてライフプランに役立てる”世帯・環境・豊かさ”の関係」
についてというタイトルでしたが、難しそう表題と違って興味深い話がいっぱいでした。

気候変動の揺れが大きくなっている

講演者:山田國廣さん

 環境家計簿は、地球温暖化について私たちの生活の見つめ直しから省エネを考えようと言う運動です。
で、最近の地球温暖化は気温の異常変動の幅が大きくなっているところに特徴があります。
私たちは去年の気温の変化でそれを実感しました。温暖化で大雨の降る地域が増えたり、干ばつで苦しむ地域ができたり、世界的に食糧難時代が来るかもしれません。

環境家計簿をつけ続けると・・・

考えたいのは、槻家計簿をつけ続けることが、どんな意味を持つかです。

1・環境にいいことをしているという満足感があります。これ、大事です。
2・電気・ガスや水道などを節約することにもなります。ちょっと意識することで10%ぐらいは節約になります。
エコロジー(自然環境→地球環境を守る)はエコノミー(経済)でもあります。
3・できたら、いいことをやっているのだから、社会的にも評価されることが望ましいと思います。
滋賀県では県の呼びかけで環境家計簿のモニターになると認証書を渡すことをはじめました。
人間は社会的存在ですから、認証をされることで励みになります。
4・もっと現実的に、景品とか何か物質的に報いることは、もちろん大きな動機づけになります。
滋賀県では10%削減できた人には「地球人袋」(福袋のような感じですが)を差し上げるなど考えています。
エコポイントや地域通貨などもよいでしょう。
私の教室では地域通貨の真似をして、環境に良い行動に対して「1やまだ」〈通貨単位)=ビール1杯−などと楽しんでやっています。
5.皆さんの報告を読んでいて感心しましたが、環境家計簿の活動が家族関係を強めるのに役立つこともありますね。
ライフプランを考えることにもなります。ごみ、緑化、健康など色々なことと関連してきます。

 

地球環境の問題としては

日本は人口で世界の2%ですが、二酸化炭素排出量では5%を占める汚染大国です。
1世帯からの排出量では1年間で5,900kgになります。重大なことは、1990年に比べ、家庭系で22.2%も急増していることです。
COP3の京都議定書による国際的な責任を果たすために、私たち市民の取り組みが欠かせないものになっています。
こうした中で、どうしたら豊中で家庭系の二酸化炭素の排出を減らすことができるか。
皆さんのまとめにもあるように、マイカー利用‘を減らすことなど、気づきのためには環境家計簿がいちばんよいことは間違いありません。

省エネ対策の極意は

色々な家庭の環境家計簿の取り組みを見つめて、それぞれのケースについてもう一歩突っ込んで現実的な省エネの工夫を話題にしたいですね。
冷蔵庫の省エネのためには「ドアの開閉を少なくしよう」と言うのはどこにでも書いてあります。
どうやったら開閉を少なく出来るかです。
ある家庭では、中学生の息子の冷蔵庫の開け方が気になったと言います。
家に帰ってきて冷蔵庫の中を覗き込み何かないかと探す時間が長いのです。
そのため庫内の温度か上がります。中を覗いたときに何があるか分かりやすく庫内を整頓しておくとか、どんなおやつがあるかをメモしてドアに貼りつけておくなど、アイディアがだされていました。
きめ細かい情報の交換を大事にしたいですね。

暖房では輻射熱がもっとも温かく感じられるとか、電気器具の省エネ型の製品カタログについては、省エネセンターの情報もかなり知られるようになりましたが、さらに普及させたいです。
京都の「環境市民」は家電製品についてお店と提携し、省エネ度についての分かりやすいラベリングの運動、一定の基準をつくり‘AAA’とか‘AA’とかを決めたりしています。結局は、電気の省エネについても、

@機器(ハード〉に投資して省エネするか、
A上手な使い方、つまり冷蔵庫の例のように工夫すること、
B使用時間をへらすこと、の三つに尽きます。

この三点について、機器の情報や、工夫についての知恵など、互いの情報を交換し環境家計簿の運動をいっそう楽しく盛り上げていきたいと思います。

聴講する市民

(奥野 享)