【生活部会活動報告】
───2003年版エコライフカレンダー───
(2002年エコライフカレンダーの取り組みの最終報告から)
─── 地球環境のために暮らし方を変えよう───
(とよなか市民環境会議アジェンダ21・生活部会)
地球温暖化の原因は、大気中の二酸化炭素の”温室効果作用”によって起こることが知られております。
従いまして、大気中に二酸化炭素を排出すればそれだけ、”温室効果”が強くなり、大気の気温は上昇します。
その状態を放置すれば、やがては、南極大陸やグリーンランドetc.の氷床が融けて海面の水位が上昇します。
そうなれば、海抜の低地帯はもちろんのこと、世界の海洋の島々は水没してしまうと言われております。
そこで注目すべきは、その二酸化炭素の排出が人為的に行われていることです。
つまり、私たちは高度な文明社会の下で快適な生活を享受しておりますが、その中で必然的に二酸化炭素の排出を招いているのです。
では、この社会形態の下で二酸化炭素の排出を減らせないか?
それは、私たちが日常生活において、”エネルギーの節減”に努めればかなりの二酸化炭素の排出を防ぐことが出来ます。
生活部会の活動の原点は、いかに多くの市民に”エネルギーの節減”の必要性を訴え、省エネ活動の協力を呼びかける”草の根の啓蒙運動”です。
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生活部会では2002年エコライフカレンダー(豊中市民版環境家計簿)の集計をまとめました。
環境家計簿の運動を始めてちょうど5年、カレンダースタイルでの環境家計簿の記入を呼びかけて3年が経過しました。
今回は基本エネルギー消費である電気、ガス、水道、ガソリンの4項目のデータをモニターから頂きました。
(データの収集にはエコライフカレンダーに付いているモニターはがきを使用)
そしてその資料を集計して考察を行いました。
尚、前年のデータの考察では基本4項目の排出量が全体に占める割合を計算すると約95%でした。
従いまして、この基本4項目が分れば全体の傾向は掴めますのでこの4項目に絞り込みました。
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モニターはがき(表面) |
モニターはがき(裏面) 使用した数値や意見を項目毎に記入してもらう |
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1)期間 2002年1月〜12月
2)モニター数 96人
3)年間継続提出者数 68人(71%)
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U―1).「人数別世帯数」
モニターの人数96人は前年に比べ14人(17%)の増しです(表1.)
世帯人数別では1人、2人世帯で増え方が小さいのに比べて、3人世帯(16→24世帯)、4人世帯(16→24世帯)が大きく増えました。
また、表1に見るように、1人世帯で車ありの世帯がゼロだったのは全年と同様です。
モニター全体での車ありと車なしの世帯数比較では、前年はわずか3世帯と3%の差(車あり45世帯、車なし42世帯)でしたが、
今回は車あり世帯が増え、その差がやや大きく14%になっていました。
表1. 世帯人数別世帯数
|
2002年 |
2001年 |
車あり |
車なし |
計(%) |
計(%) |
1人世帯 |
0 |
13 |
13(12) |
12(14) |
2人世帯 |
16 |
18 |
34(31) |
31(36) |
3人世帯 |
16 |
8 |
24(22) |
16(18) |
4人世帯 |
18 |
6 |
24(22) |
18(21) |
5人世帯 |
12 |
2 |
14(13) |
10(11) |
計 |
62 |
47 |
※109(100) |
87(100) |
※一部のモニターが世帯数変動のため重複して記録されています。
したがって全モニター世帯数は96なのに上の表では世帯数の累計は109になりました。
U―2).「月別のデータ提出者数」
表2に見るように、これまでは月別のデータ提出者数が夏を過ぎると毎年減少していました。
今回は9、10月がもっとも多く、ねんまつもあまり減少していません。
新たなモニターを呼びかける努力があったのと、春になってエコクッキング講習会を行ったときにフオローして11、12月の
データの提出をお願いしたこと、また11月の広報で10、11月分についての臨時のモニターを募集こと、
などによりモニターの注意が喚起され、集まりが良くなったのではと思います。
継続して取り組むことの困難さを小さくしようと、調査事項を基本項目とそれ以外の項目に分けました。
指針表さえあれば遡ってデータを出せるので、それもモニターを増やすのに効果があったのかも知れません。
表2. 月別提出者数(全モニター数 96人)
月 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
計 |
平均 |
人数 |
75 |
75 |
75 |
76 |
74 |
73 |
84 |
89 |
89 |
91 |
85 |
80 |
966 |
81 |
提出率(%) |
78 |
78 |
78 |
79 |
77 |
76 |
88 |
93 |
93 |
95 |
88 |
82 |
|
84 |
U―3).「月別提出のうち「車あり」「車なし」世帯の内訳」
表3.車あり・なしの月別提出者数
月 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
計 |
平均 |
車あり |
39 |
39 |
39 |
40 |
40 |
39 |
44 |
47 |
50 |
52 |
46 |
42 |
517 |
43 |
車なし |
36 |
36 |
36 |
36 |
34 |
34 |
40 |
42 |
39 |
39 |
39 |
38 |
449 |
37 |
計 |
75 |
75 |
75 |
76 |
74 |
73 |
84 |
89 |
89 |
91 |
85 |
80 |
966 |
80 |
今回のモニター家庭の車の保有率は54%(表3により517世帯÷966世帯)です。
一方、豊中市の全世帯の車の保有率は約69%です。(豊中市環境報告書による)
これからみて、モニターの車保有率は少ないですが、この比率の少ないことが、モニター家庭のマイカーをやめる努力の結果の表れかどうかは、即断できませんが、一応参考になります。
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V―1).「全体のモニター像」───排出量が増えた、なぜ?
2002年の1世帯あたり月別二酸化炭素排出量について、前年と比較したのが表4です。
表4. 1世帯あたり二酸化炭素排出量 2001年との比較 (二酸化炭素換算:kg)
月 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
排出量/年 |
平均 |
2002年 |
387 |
345 |
309 |
264 |
246 |
202 |
239 |
253 |
225 |
225 |
269 |
302 |
3266 |
272 |
2001年 |
341 |
313 |
290 |
243 |
226 |
178 |
220 |
252 |
196 |
187 |
211 |
251 |
2901 |
242 |
これを見れば今年は前年に比べて排出量の全体が増えていることがわかります。
その中で二酸化炭素排出量の増加に大きく関わっているのが冬季のガス、電気の使用量が増えたことです。
この傾向は昨年度も同じでした。その原因については【図T】から気象条件やモニターの家族構成の面から推測しましたが、特定は出来ませんでした。
【図T】
【図U】は2002年の1年間を通して電気・ガス・水道・ガソリンの基本項目の比重を視覚化したものです。
ガソリンと水道は比較的変動幅が小さく、とくにガソリンの変動幅は電気・ガスに比べて小さい。
【図T】よりガソリン9月から年末にかけて少しずつ増大しております。
なお、電気・ガスは季節による変動幅の大きいことがよくわかります。
従って冬季・夏季の努力により、使用量の全体をかなり削減できるだろうということです。
この点に関しては、個人の環境家計簿でも変動幅を比較することで、ある程度努力目標を見出すことになるかもしれません。
【図U】
V―2).「車使用による問題」────相変わらず大きな比重
マイカーによる二酸化炭素排出量は相変わらず大きな比重を占めています。
【図V】、【図W】は年間総二酸化炭素排出量を「車あり」「車なし」世帯別に円グラフにしたものです。
車あり世帯でガソリンは他の3項目よりも二酸化炭素排出量は最大です。
【図V】
【図W】
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1.電気について〜夏場の工夫と省エネ機器システムで節減
3年間ほとんど横這い、年間を通して夏冬の季節変動がありません。
モニター平均と比べるとかなり少ないです。
夏の冷房は試運転程度でほとんど使用していないし、コンセントからプラグも抜いているとのこと。
西日が射しこむベランダには天井までとどくよしず。
南北の窓を開けて天然クーラー、風通しをよくしています。
それと電気の省エネナビの設置が節電の動機付けになっているようです。
時々刻々の使用量・金額をリアルタイムに表示する機器システムです。
目標値をオーバーして赤ランプが付くと気になりながらTVや部屋の照明、付けっ放しのパソコン機器を、面倒でも小まめにスイッチを切るようになったそうです。
部屋の使い方も、仕事・食事・団欒と寝るまでリビングで過ごし、照明も食事や団欒は少し落とすなど工夫しているとか。
2.ガスについて〜入浴も健康管理で節減
二酸化炭素の総量は電気を上回っています。
これは、暖房は全面的にガス温風ヒーターを使っているから?
それと毎日入浴いているお風呂好きが関係している?ようです。でも、
@ 入浴の給湯は温水で、追い炊きはしない。
A 続けて入る。
B 給湯の量も健康上、半身浴で夏はシャワー。
C 給湯温度は冬は42℃、入浴時40℃。
と温度管理をきめ細かく行い効率を高める配置をされているようです。
3.ガソリンについて〜高齢者(65歳以上)向け阪急バス全線フリー割引定期で節減
ガソリンの二酸化炭素排出量は2000年は全総量の実に52.8%をしめていますが、2001年は48.2%、2002年は44.9%と減少の傾向にあります。
特に2000年10月を境に減って来ております。
これはバスの割引定期券「グランドパス65」3ヶ月1万円を購入した時期と重なります。
市内の行動は路線バスを利用する習慣がついたそうです。
車の使用も荷物・行程・所要時間・経済性などを考えて選択するようになり、結果的にガソリンの給油回数も月2回から3回ペースが月1回、多くて2回の傾向が続いていて節減に効果を上げているようです。
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1.冷房をほとんど使わないでがんばりました
提出者が減っているとのことですが、コメント等にお返事などいただけると励みになるのでは?
報告するだけの一方通行では長続きしにくいと思います。
今夏は子どもの長期キャンプの暑さ慣れしたため、クーラをほとんどつかわなかったので、電気使用量が少なくなりました。
―コメントありがとうございます、集計する者にとって嬉しいかぎりです。
2.電気・ガス・ガソリンが減った本当の理由は?
10月の二酸化炭素の排出量が大幅なので、数値をみてびっくりした。
@ 旅行で10日間家を留守にしたこと。
A 季節がよくなり電気・ガスの使用量が少なくなったこと。
B 車の利用が減りガソリンの使用量が減少したことが主因。
―ガソリンが二酸化炭素をいかに排出しているかわかりますね。
3.家族の話題にしなくちゃ!
こまめに集計して、反省材料にしようと思いながら、遅くなっています。
タイムリーにまとめて、家族の話題にしなくちゃと思います。
車は私用ではほとんど使わないように努めています。
―みんなの協力が大切ですね。
4.整理の極意はすてること?
夫が最近通勤に車を使うので、ガソリンを除いて考えれば、まあまあの数値になるので、私自身の努力だけは認めたいと思っています。
7〜9月はホームスティで来客があり家族も増えます。・・・
そのためにこの1〜2ヶ月は家中整理してごみをたくさん出しました。
以下に不要なモノが溢れているなかで生活しているかよくわかりました。
―まったく同感!
5.冷蔵庫なしで3週間我慢しました。
冷蔵庫が壊れましたが、冬場だったので3週間我慢していましたが、12月に思い切って買い替えました。
でも、食品を上手く使い切ることや、無駄なものを買わない習慣が付きました。
今後もがんばっていきたいと思います。
・・・省資源の勉強の機会になったと思います。
―よい習慣が身に付きましたね。
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※ この取り組みについて詳しくは『2002年度エコライフカレンダーの取り組みの報告書(2003年6月発行)』に載せております。
その報告書をご希望の方は下記にご連絡下さい。
連絡先: とよなか市民環境会議アジェンダ21 生活部会
〒561―8501 豊中市中桜塚3―1―1 豊中市生活環境部環境政策課内 大村
靖子 宛
TEL 06―6858―2127 FAX 06―6842―2802
(編集:HP取材担当 猪尾英雄)