───神戸製鋼に廃プラスチックリサイクルを見学する───


リサイクルの質が悪い?
1月26日13時、加古川駅に集合し廃プラスチックリサイクルの現場である神戸製鋼へと向いました。
この見学は豊中伊丹クリーンランド労働組合の呼びかけによるもので総勢24人、私たちアジェンダ21からは生活部会を中心に13人の参加です。
廃プラスチックリサイクル、豊中市では20%の市域で実施していますが、回収されたプラスチックの質が悪く再利用のコスト引き上げの話もあると聞いていましたから、リサイクル現場をいちど自分の目で確かめたいと参加しました。
広大な工場敷地は570万平方kmとか、端から端までが優に2kmはあるそうです。
プラスチックリサイクルを扱っているのはそのうちのごく一部。まず工場全体の説明と、廃プラをどんな風に再利用しているかの話を聞き、現場を見学しました。

神戸製鋼での廃プラリサイクル説明会

 

前処理は比重による分離
神戸製鋼での廃プラリサイクルは、高炉の還元剤であるコークスに混ぜて利用されます。
現在、年間1万トンの廃プラを扱っていて、将来は6万トンまで増やす計画だそうです。
でも、コークスとの割合は1%以下のようです。集められた廃プラは粉砕し、水に浸けるとポリエチレンなどは比重が小さく、 その差を利用し、塩化ビニールなど比重の大きいものを取り除きます。
ポリスチレンも比重が大で塩ビといっしょに取り除かれます。
金属といっしょになったプラスチック(レトルトの袋など)も比重が大きいので沈みます。
こうして純化したポリエチレンなどはペレットと呼ぶ小さなかたまりに加工されます。
コークスと混ぜて高炉に入れたときに、隙間を空気が通るようにするためです。
選別で取り除いた塩ビもむだにはしていません。熱を加えて塩素を分離し、希塩酸を作って鋼板の表面洗浄に使うのだそうです。
ゼロエミッションへの細やかな配慮です。
見学し終わって考えたのは、私たちはプラのマークだけを頼りに、まとめてリサイクルに出していましたが、気がつくとマークの下に小さく「PE、M」(ポリエチレンと金属)などの表示があります。
それらは分別方法として説明しきれないリサイクルの現実の難しさを、再認識させられる見学でした。

神戸製鋼での廃プラ見学会の参加者

 

(奥野享)