─── 生活部会の活動───


───「容器包装リサイクル法改正の署名運動」───


リサイクルしてもごみが減らない?
4月から指定ごみ袋制で、ごみのことがよく話題になります。
でもまじめにリサイクルに心がけてもごみが減らないという不合理に気づきます。
容器包装リサイクル法に不備があるからです。
ちょうどタイミングよく、容器包装リサイクル法の改正を求める署名運動が始められていました。
急いで運動に取り組んだと言うわけです。

どこに問題があるのか?
私たちの社会は、高度成長により物質的に豊かになってきた反面、「大量生産」から「大量消費」に馴らされ、実はごみになる過剰包装も気にしなくなっていました。そんな消費感覚の中で容器包装リサイクル法ができたのです。
この法律では「リサイクルのための収集費用は市町村が負担」することになっているため、リサイクルは広がっても家庭から出されるごみがなかなか減らないの、ごみの中身に目がいきます。
容積で60%を容器包装材が占めるほどにかさばっているのに気づきます。

税金でのリサイクルでなく原則的な考え方としては、ちょうど下水道料金を上水道の料金に合わせて払うのと同じように、ごみについても初めから処分費用のかかることを十分考慮したシステムが必要だったのです。
容器包装材のリサイクル費用も税金でなく使った分だけ負担するというのがいちばんいい方法なのです。
それにはデポジット制(容器を返したら容器代が戻ってくる)もありますが、少なくとも製品価格に上乗せすることで過剰包装が減ってきます。市場経済の原理が働くからです。
現状では市町村の税金による負担が大きく、例えばプラスチック容器包装のリサイクルも法令では実施することが決められながら、全国3200市町村のうち現実に実施できているのは260団体しかありません。
豊中市は、20%の市域で実施に入っていますが、これも収集運搬費、選別を含む管理費、再商品化費用などが高くついています。

ビールびんのような再使用も……
大量消費を容認する法律のために、これまで繰り返し使われていた酒やビールのガラスびんが徐々に少なくなって来ました。
使い捨ての容器のリサイクルの負担をメーカーが持たなくてもすむのでどんどんペットボトルやアルミ缶の方に容器が代わっていきました。
ビールびんは洗って繰り返し使うなら20回も再使用できるので社会的には無駄の少ないシステムなのですが、酢のビンなど再使用の流通システムはほとんどなくなってしまい、わずかに残っているビールびんの再使用システムもやせ細っています。

いま署名運動をする意味
容器包装リサイクル法は制定されたときに、10年後に見直すことを付則に書いていました。
その時期(07年)が近づいています。この際にほんとうにごみ減量につながるシステムにすることが必要です。
循環型社会の原則が容器包装にも適応されるよう法改正をしたいのです。
なお、5月末で署名運動を締め切ったところ期間が短かったにもかかわらず総署名数は3,286人に達していました。
直ちに全国ネットに送りました。

   

(奥野 享)