省エネ・創エネを体験する住まいの見学会

 

日  時  20121015日(月)9:1516:0

見学先  1. 大阪ガス北部事業所 スマートエネルギービル     

. パナホーム「住まいとくらしの情報館・千里」

参加者  10人(マイクロバス使用)

 

午前中は大阪ガス北部事業所スマートエネルギービル(高槻)へ


省エネビルの取り組みの説明を受けた後、約1時間見学。最新のオフィスの省エネ対策・機能について理解を深めました。

5階建ての事務所には200人の職員が勤務。ここで注目したい点は勤務する人の行動に合わせてエネルギーを削減するための仕組みがある事。各階の入口にはエネルギー利用が見えるパネルが設置されており、フロアーごとに執務位置や個人的な行動や感覚の差を反映できるように、室温の管理も在室者のIP電話でコミュニケーションを取りながら情報を取得し、連動するデータベース(年代・性別など)をもちいて、エリアごとの空調温度制御に反映させて、効率よいエネルギー管理を行っていました。ハード(機器)とソフト(技術)、それに人の行動に合わせた省エネ対策の仕組みができていました。ここで得られたノウハウをもっと拡大して、他の事業所や家庭の省エネ対策に提供される仕組みが出来ることを期待します。

 
 
  ②また1階には室内より2°C低く設定されたクーリングルームという、夏期、外勤者が帰社時に入室して体を冷やしたあと、事務室に向かう部屋を設置。 センサーによって体温を映し出すパネルや、休憩を兼ねてホッと一息つける飲み物や椅子が用意されていました。
 ③屋上の省エネ・創エネ施設には太陽熱集熱器、太陽光発電パネル、燃料電池のほか発電機能付きGHP(ハイパワーエクセル)があり、発電設備全体で200kWを保つように出力を調整し、館内の電力の約3分の2をまかなっているとのことでした。  

 

 

午後はパナホーム「住まいとくらしの情報館・千里」(千里中央)へ

ここでは住まいづくりのポイントを実物やシミュレーションシステム、体験コーナーなどで職員の説明を直接聞けるようになっていました。この“見て、触れて、体感できる”ショールームの基本は「エコアイディアの家」であるといいます。その中で幾つかのコーナーを見学しました。


 

 

①パワーテック(耐震構造):地震の揺れを疑似体験できる装置では阪神淡路大震災・東日本大震災レベルの揺れを画像とあわせ体験。激しい揺れに身体がソファーから飛び出しそうになり必死でソファーの縁をつかむ体験者。どの顔にも笑顔はありません。その後、実物大の住宅を使っての振動実験のビデオでは、外力を建物全体でバランスよく分散する構造で、住居の空間を維持することが安全性に繋がることが分かりました。

 ②ピュアテック(空気の質を保つ):室内全体にキレイな空気を巡らせる換気システムや、自然の力で湿度を調整する調湿建材など、エコで快適な住まいの最新の技術を紹介されました。

 
 

 

③キラテック(汚れが自然に落ちる外壁):酸化チタンの薄い膜が均一に施されたタイルは、分解力と親水性の働きによる「光触媒作用」で雨が降れば汚れを浮かせて流れ落ちやすくなり、外壁が汚れから守られ、手間をかけずに美しさを保たれるとのこと。価格は少し高くても効果は半永久的なのでお得ですとの宣伝も……。

 

④その他、室内の熱損失が大きい窓も複層ガラスの利用や内窓の設置など で断熱効果が得られる事を体験。また、太陽光発電システムや、高効率給湯・家庭用燃料電池などの展示設備を時間いっぱい見学しました。2社だけの見学会でしたが、事業者の取り組みを学び、それに対する意見や疑問、感想を私達が述べる事が、環境に配慮したより良い家づくりに反映されるといいなと思いました。ただ、気密性の重要さや、電気などのエネルギーを利用しない空気の循環については説明されなかったのは残念でした。

(宮田 健、新開 悦子)

 

(2013・3・5(火)更新  猪尾 英雄)