環境びっくり箱 親子で楽しくエコツアー

ごみの埋立地が緑の広場に

2010年8月24日(火)12時集合、16時30分解散  参加者11人


大阪湾フェニックスセンター堺基地構内

   盆休みが終わっても、猛暑日が続く今年のエコツアーを行いました。今回は、ごみを燃やした後の灰を埋立地まで運ぶために、 船に積み替える基地堺基地と、産業廃棄物埋め立て後の跡地(堺第 7―3区)の見学です。
まずは堺に向う車中、環境クイズで楽しみましたが、その中の1問「豊中市が持ち込む埋立地は、約10年で満杯になる。 この話は本当?」答えは○です。「答えに不平・不満がある人は、今から行く現地の説明者に確かめてください」何と無責任な出題者の答えかた。 しかし本当なのです。7問正解者(全員)には、この季節最適な「(塩あめ熱中症対策)」が配られました。「この塩あめ、おいしいよ」 「これが必要になるのは、これからよ」・・・・・







積載物の計量ゲート

   高速を降り、大きな工場地帯を抜け、海岸線を走ると堺基地に着きます。まず事務所に入り、講義を受けます。ごみの行き先は?埋立地は、あと10年で満杯、 そこで、ごみを減らす3Rとは?の勉強をします。
その後、見学に。小学生にとっては、頭がスッポリ入る大人用ヘルメットを被り、いざ出発。











埋立地に運ぶ残土を乗せる船
船にはカ−テンがあり、飛散防止の役割をしていた

まず驚いたことは、10トン車が日数百台も出入りする基地であり、その敷地の広大なこと。 入り口付近には、積み込んだ廃棄物が飛散しないように荷台にシートをしているか確認する人、計量時に中身を確認する人、 抜き打ちに検査する人と関所が所々にあります。それらを通ると船に積み込むための、スロープ 坂道が船の上部までつながっており、そこで廃棄物(ごみを燃やした後の灰)をトラックから船へ落とします。 灰が海に落ちない工夫、船を岸壁に固定する方法、片積みにならないよう船への積み方、臭いが外に出ない方法、 言葉では説明しにくいのですが、しっかり見てきました。









焼却場で処理された残土を見学

   埋立地は大阪沖処分場(東京ドーム11倍分)で2時間30分かけて、ゆっくり運びますが、台風などで波が1mを超えると運行できません。 そのために大きな仮置き場を配置しています。この仮置き場の屋根に太陽光発電用パネルがあり、場内の電気に利用しています 残念ながら、屋根が高くて見えません。
このあたりで、塩あめが欲しくなりました。
大阪湾周辺には、このような基地が9カ所あり、豊中市のごみを燃やした灰は、堺基地ではなく大阪基地 (西淀川区中島)から船に積み替えて運んでいます。







運搬船の先頭。大阪湾の埋立地は、
この堺基地から1時間半の海上にある

 時間が迫ってきました。次の見学先へ、と言ってもバスで3分、隣の広場へ移動します。通常は入れない埋め立ての跡地ですが、今日は許可をもらっています。 この埋立地は、堺第7−3区と呼ばれ昭和49年から平成16年まで産業廃棄物(土砂・ガレキ等)約4,900万トンの受け入れを行ってきました。端から端までの距離は、 ちょうど淀屋橋から難波までと同じ距離であり、とても歩いて見られません。バスに乗っての見学。埋立地は緑の広場と言うよりも草原(サバンナ)の表現がぴったりです。 ボランティアでの植栽活動ゾーン、いろいろな野鳥が飛来する人工池、風力発電、太陽光発電のパネル数万枚の設置と盛りだくさんですが、 それでも多くの土地は余っています。今後、どのように変わっていくのか期待したいものです。埋立地の中央付近には小高い丘があり、 そこに登ると360度のパノラマが見渡せます。「あれが関西電力の発電所です。昔は重油で発電していたので、煙突が高かったのですが、 今は天然ガスで発電しているため煙の汚れも少なくなり、煙突も低いのです」「あれはシャープの会社で、ここよりも多くの太陽光発電をする予定です」 と詳しい説明が続きました。





堺第7―3地区「共生の森」、
埋立方法の説明模型
サンドイツチ方式で埋立がすすむ

 埋立地から環境を考えました。帰りの車中、疲れから眠ってしまった子どもに聞きたかったのは、今回のエコツアーで夏休みの宿題はできましたかと。 しかし、大人の宿題は残ります。この環境を良くして、次の子どもたちに引き継ぐ宿題が。

(池田 和夫)