環境びっくり箱
─── 親子で楽しむエコツアー ───
海の日限定・大阪大学吹田キャンパス周辺 コンテナ船と波の関係を知ろう
2009年7月20日(月・祝日) 参加者5家族20人(スタッフ含む)
7月の3連休の最終日、前日は梅雨前線が南下し、雷を伴った大雨になり、雨天決行も危ぶまれる天候でしたが、
当日はなんとか雨も上がり無事出発できました。
今回は、大阪大学船舶海洋試験水槽公開、大型コンテナ船が波の中で大きく揺れる実験の見学を中心に、自然が残る吹田キャンパスを歩きます。
集合の千里中央からバスで大阪大学本部前に移動、そのときのバスが偶然ハイブリッドバスであったことから、少し環境に優しいエコツアーの始まり。
|
大阪大学吹田キャンパスに到着。期待を胸に実験槽に向かう。 |
大学内のバス停から広いキャンパス(甲子園球場の約26倍)を歩き、実験水槽に向かいます。天気が良ければ、木々が直射日光を遮り、
心地よいさわやかな風が体を包むはずが、湿度が高く、蒸し暑い空気が体を包むなか、実験水槽に到着。
スタッフが受付をしている途中、子どもが生理現象に。「近くにトイレありませんか」のお母さんの声に「こちらにあります。案内します」と
阪大生の親切な声、蒸し暑さが少し無くなった瞬間です。
見学までの時間を使い「阪大クイズ・海の日クイズ」を行いました。参加者だけでなく、当日実験を行う大学生にも参加を呼びかけると、
快くクイズに応じてくれ、楽しいクイズ大会になりました。
さて皆さんは、このクイズがわかりますか。
第1問:「阪大のマークは銀杏ですが、登場したのは2億年以上前です。本当か、うそか。」答えは「本当です。」
第2問:「広い所に立ち、水平線を見ることがありますが、その水平線までの距離は、どれくらい?」答えは「4.5キロメートル」
地球は大きな球体ですが、見える範囲は狭いことが分かります。
と、スタッフが用意したクイズが終わり、見学までの時間がまだあることから、急きょ阪大生に問題をお願いすると「水槽の長さは?」
「大阪大学の学生の人数は?」と2問を出題されました。答えは100メートルと3万人以上の学生で、国立大学では一番多い学生数です。
(ヘ〜と全員驚きの声)
|
珍問・奇問が入りまじったクイズの問題。 参加者も学生も笑いの中で進行! |
さて実験に移ります。ここでまず全員教室に移動して、パラメトリック横揺れ原理の説明を聞きます。原理はブランコと同じで、
重心の上下で振れが大きくなります。つまり波の波長が船の横揺れの2分の1の間隔で来ると、横揺れが大きくなり、
積荷のコンテナが荷崩れをおこす原因になります。(原理は簡単でも難しい) 次に実験水槽に場所を移し、3メートルの船の模型を使い、
1.4秒・1.8秒・2.4秒間隔の波を作り、どの波が一番横揺れが大きいかを実験します。実験前に子どもたちに予想してもらい、
正解者には記念品の贈呈がありと聞き、子どもたちは真剣に実験を見つめます。波を作る装置を使い、
横揺れの程度をコンピューターで分析した結果、1.4秒の波が一番大きな横揺れを起こしました。船の前方から波を受けるだけで、
横揺れする船を見て、難しい原理を感覚的に理解できた実験でした。
|
|
|
学生からパラメトリックの原理の説明をうける。
参加賞の銀杏マークのついたノートに熱心にメモする子どもたちの姿を多く見る。
|
|
実験開始。予想した波と船の揺れ方を食い入るようにみつめていた。
|
実験後は、キャンパスの中央に位置する工学部福利厚生棟に移動し、企画屋本舗主催の日食観測の話と太陽エネルギーの模擬実験に移ります。
7月22日は大阪でも部分日食が見られますが、黒色の下敷きで見ると紫外線や赤外線を通して、目にダメージを与えることになります。
太陽は非常に大きなエネルギーを出しており、少し暗くなっても目にダメージを与えることになりますと説明のあと、
用意した観測用のメガネを配布しました。次に白くて丸いボールに海水の青色、陸地の茶色、木々の緑、雲の白色を塗っていき地球を作ります。
月は地球の4分の1だからこの玉ぐらいと小さいボールを用意。それでは太陽はどんな大きさかな?の問いに答える子どもたち。
正解はなんと、運動会で使う玉ころがしの玉ぐらいありますとの説明に、びっくりしたのは子どもだけでなくも保護者までもが。
子どもの目が輝きだしました。
木立の中で海の実験、宇宙の話、子どもの(大人も含めて)興味は尽きることはありません。
明後日、日本の南の島では皆既日食がみえる。宇宙の不思議を考えるワークショップ。
追伸
2日後、部分日食を見ました。雲が多くあきらめていたのですが、雲がフィルターになり太陽が三日月状態になっていました。
皆さんも見ましたか。(スタッフの一人は急に暗くなったので大急ぎで洗濯物を取り入れようとして、
「あ!日食だ」と改めて眼鏡を掛け直したとか。エピソードがいっぱいの夏のひと時でした。)
(企画屋本舗 池田 一夫)